「アンパンマン大研究」を読んだ

あなたは取り換えられた後のアンパンマンの古い顔がどうなるかご存知でしょうか？

実は……

「交換したとたんに消滅する」でした。

この質問、 1998年に出版されたやなせたかし、鈴木一義の「アンパンマン大研究」に書かれています。

「消えてなくなるわけです」と言われても全く腑に落ちないがとにかくそうなのです。

この本は中学校の理科の教師をされていたらしい鈴木一義さんが生徒の質問に答えるかたちで独自にまとめたパンフレットに、やなせたかしさんが自身の考えを付して本にしたものである。

やなせさんの答えも面白いのだが、鈴木さんの答えも「いかにも理科の先生らしく」なかなか興味深い。

この本には短いものも長いものもあるが230もの質問が載っている。
やなせさんの回答は気の抜けたもので、そこがまた大変よろしい。

個人的に興味深かったのは、やなせさんがアンパンマンの世界をファンタジー「バーチャルランド」として描く一方で宇宙に対するあこがれが多分に盛り込まれていることに気が付いたことでした。アンパンマンは「命の星」が煙突から入ってきて生まれたわけですし、バイキンマンもバイキン星という外の世界からやってきた言うなればエイリアンなのでした。

僕はアンパンマンであればアニメの絵よりもやなせさんの絵本や紙芝居の絵が好きなのだが、この本では一冊にやなせさんの手による様々なキャラクターのスケッチがたくさん入っているのもうれしい。

最後のおまけにはアニメの声優陣によって描かれた一コマまであります。

アンパンマン大研究