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「モンスター大図鑑」を読んだ

ネコ・パブリッシングさんから出版されているジョン・ランディスによる「モンスター大図鑑 SF、ファンタジー、ホラー映画の愛すべき怪物たち」を読んだ。おすすめの一冊です。

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この本、図書館で偶然見つけて中を読んだときには鼻血、出ましたね。既にAmazonレビューでも鼻血出てそうなレビューが書き込まれています。

まず「ネコ・パブリッシングのビジュアルガイドブック」と銘打たれている通り、たたきつけるようにページに詰め込まれた画像が大判にぎっしりです。しかもフルカラー!たまに白黒なページも見受けられますが単純にモノクロ映画のカットです。レイアウトもなかなかこっていて眺めているだけで瞬く間に時間が過ぎていきます。

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お値段、税抜き3790円ですが見返しまでフルカラーで320ページもあり、正直安い。

おすすめポイントその2は、著者がジョン・ランディスだという点です。ジョン・ランディスと言えばマイケル・ジャクソン「スリラー」のMVを監督したことで有名ですが、映画監督作はホラー好きには「狼男アメリカン」、音楽ファンなら「ブルース・ブラザース」、コメディ好きなら「アニマル・ハウス」や「サボテン・ブラザーズ」など必見の映画ばかりである。

そんなジョン・ランディス、この本の画像のいちいちに解説という名のツッコミを入れてくる。この本の中ではただの面倒くさいモンスター好きと化している。

例えば「アビィ」には「映画『エクソシスト』のあからさまなパクリ映画。黒人向けの悪霊に取りつかれた女性が登場するだけでなく、その他にも……。いずれにせよ、観るに値しない映画だ。」とコメントに愛が溢れすぎている。パクリなら取り上げるなよ、と言いたくなるが、モンスター愛なので仕方ない。

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その解説は自らの監督作品にも当然降りかかる。「シュロック」には「今なら、オープニング部分に「制作日数12日、制作費6万ドル、それに21歳のときの映画だから、大目に見てくれ」と記したテロップを入れたいぐらいだ。それだけに傑作とは言いがたいが、見せ場はちゃんとある。」などと書かれている。こんな風にビジュアルだけでなく文章も盛りだくさんで、ありきたりでない内容ばかりだ。

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さらに解説のみならず、クリストファー・リージョー・ダンテデヴィッド・クローネンバーグサム・ライミギレルモ・デル・トロレイ・ハリーハウゼンリック・ベイカージョン・カーペンターとの対談が掲載されている。なんだ、これは?夢か?

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最後に個人的に感動したのは、本そのものの出来だった。例えば前述の見返しには映画のポスターがカラーでずらりと印刷され、巻末には映画タイトルと人名の索引がちゃんとついている。また、割れやすいとも言えるが、見開きで綴じ代部分の画像が隠れないようにどのページであっても完全に開いてフラットに読めるように綴じてある。最高です。ありがとう、ネコパブ。

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「どの映画のモンスターか分かるかな?答えは320ページに!」じゃねぇよ、ノリノリか。

ホラー、モンスター好きは今すぐ買うべし。に、限らず映画ファンや本のデザインが気になる人は買って損はないと思います。

余談ですが息子(未就学児)は僕に似て大変怖がりで「この本を俺の目の届くところには置くな!」と釘をさされました。