ずかんライブラリー「ミニチュアでみる世界の台所」を読んだ
ずかんライブラリー「ミニチュアでみる世界の台所」を読んだ。世界の台所を研究されている宮崎玲子さんの本です。32ページ。
福音館書店の出版しているずかんライブラリーというシリーズのうちの一冊です。以前紹介したみるずかん・かんじるずかんと非常に似ていますがなぜ違う名前になったのかは知りません。
この本は世界中の16の地域の台所を紹介する図鑑なのですが、面白いのはそれを実際の10分の1の大きさで作ったミニチュアで再現しているところです。
可愛らしいだけではなく大真面目です。
この本ではイギリス、イタリア、ドイツ、ロシア、カナダ、インド、ネパール、シリア、中国、韓国、西サモア、北極圏、アメリカ、そして日本(富山県五箇山、京都、東京都清瀬市)が取り上げられています。
例えばドイツであればこんな具合。
台所だけでなく、その地域の「家」とその中で台所がどのような位置を占めているのか、もミニチュアで再現されています。
順番に見ていくだけで普段当たり前に生活の場となっている台所が場所によって、同じ日本でも時代や地域によって全く異なっていることがよくわかります。つまり単に台所というだけでなく「暮らし」そのものが全く異なっている。
ひとつひとつに付された説明は短いものですが、実は地域の気候や家の構造、使われている道具や主に食される食べ物などをよく見ていくとその間に色々な「気づき」が隠れていることがわかります。
最後に「世界の台所・北と南」と題してそのひとつが種明かし(解説)されており、人の暮らしが家の内外、大小のもの・ことにまでいかにつながり、そのかたちに表れるのかを伝えています。
もちろん一枚ずつ見ていくだけで楽しい図鑑でもありました。