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「絵本のなかへ」を読んだ

なかえよしをさん・作、上野紀子さん・絵の「絵本のなかへ」を読んだ。ポプラ社の、なかえよしを上野紀子の絵本シリーズの2冊目にあたる。昭和50年10月発行。

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以前紹介した「メルヘンの国」と同じシリーズです。「メルヘンの国」では赤い帽子に赤いマントの少女が主人公でしたが、こちらは黒い帽子に黒いマントの少女が主役です。

amabiee.hatenablog.com

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このお話は少女の帽子に落ちてきた一枚の木の葉がいなくなり絵本の中へそれを探しに行くところから始まります。

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そこでまるで「不思議の国のアリス」のように不思議なものと出会います。

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しかしこの本の真骨頂はここからです。あるとき少女が入った絵本は今読者が手に取っているこの本自身と重なり合い、少女が読者に語りかけてくるのです。

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さて木の葉はどこにいるのでしょうか?そしてどんな結末になるのでしょうか。

それは読んでのお楽しみ。

不思議な読後感をうむ面白い絵本ですが、そうした面白さを狙って書いた本という印象にならないのが不思議です。

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なかえさんは「ただおもしろいというだけじゃなくて、作者の考える余白のある絵本が、子どもにとっても本当はいいのではないかなとは思っています。」*1と語っていて、実際その通りに「これはこういうお話の絵本なんだよ」といった正解を示すような作品ではないところがその理由なのではないかと思っています。

入れ子構造のような作為的なところのある内容にも関わらず、お話そのものよりもそれを読んだ子どもの気持ちを考えて書かれたような絵本です。

一冊の絵本でありながら一枚の絵画をみるような、ちょっとこういう感じの絵本ははじめて読みました。すぐに答えを出さずにじっとしまっておきたい。