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「輪切り図鑑 大帆船」を読んだ

ティーヴン・ビースティーとリチャード・プラットのコンビによる「輪切り図鑑 大帆船」を読んだ。

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ここで紹介するのは「モノづくり断面図鑑」に続き二冊目となる。「輪切り図鑑 大帆船」は岩波書店から刊行されています。

amabiee.hatenablog.com

副題に「トラファルガーの海戦をたたかったイギリスの軍艦の内部を見る」とあるように、本書は一隻の帆船だけを断面図で説明した図鑑である。いろいろな船、ではなく一隻の船だけを紹介して何が面白いのかと考える方もあるかと思うが、これがめっぽう面白い。

この軍艦は800人もの乗組員がいる大帆船であり、そこには生活と戦闘、階級社会といったかたちで文化が息づいている。

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また、この名コンビの筆力で歴史的、博物学トリビアが乗組員たちのドラマさえ感じさせるようなコマとして表現されていて飽きさせない。

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単なる船の構造の解説ではなく、まさに船を動かし、一個のシステムにする乗組員たち(豚やネズミも)という生きた部品が生き生きと描かれている。

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うじ虫の味やうじ虫をビスケットから取りのぞく方法についてまで学べます。いやはやとんでもないことばかり書いてある。

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輪切り図鑑恒例のウォーリーを探せ的なお楽しみ、「密航者を探せ!」もあります。

やはり今は絶版ですが、天牛書店で入手しました。

www.tengyu-syoten.co.jp