「マウスガード 1152年冬」を読んだ
デイビッド・ピーターセンの「マウスガード 1152年冬」を読んだ。「ダイノトピア―恐竜国漂流記」のジェームス・ガーニーによる序文が付されている。
本書は先日読んだ「マウスガード 1152年秋」の続編にあたる。
読んでみると「マウスガード 1152年秋」よりもずっと良い。というか、これは二冊合わせて一つの作品と考えるべきだろう。
前作を読んでいるときは「正直これは大人向け」かな、と思っていたが、本作を読んで間違いなく子供たちの手の届く棚に収めておきたい一冊になった。
物語は前作で出会ったマウスガードたち、ケンズィ、サクソン、リアム、セディ、ケラナウの5人が冬の行軍を行っているところから始まる。
前作は5人のキャラクターと背景紹介といった雰囲気であったが、今作では互いに出会ったことで彼らの内面が変化していくさまが描かれている。特に若きマウスガード、リアムと伝説の英雄・黒い斧を名乗る老人、ケラナウのエピソードは哀しくも美しい。
そして、登場する見捨てられたイタチの王国ダークヘザー。
ダンジョンズ&ドラゴンズの世界が主人公がマウスたちになるだけでこんなに心象の全く違ったものになるとは思わなかった。この世界にオークやドラゴンは存在しないが、我々(マウス)をちっぽけに感じさせる強大なものは確かにいるのだ。
前作にもあった想像力あふれる場面と美しいカットは本作でも多数見られるが、それに加えてストーリーがより深く、キャラクターたちがみな生き生きとしている。
緊急時の移動手段はまさかの野ウサギ!
なんだって?彼らのその後は描かれていないだと!
購入するときは必ず秋冬二冊合わせて購入しましょう。
- 作者:デイビッド・ピーターセン
- 発売日: 2015/09/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)