「ふしぎ動物大図鑑」を読んだ
デイビッド・ピーターズさんの「ふしぎ動物大図鑑」("Strange Creatures")を読んだ。
デイビッド・ピーターズさんの著作は同じ偕成社から他に二冊出ており、そちらも以前紹介した。
前の二冊はどちらもすべて実物の22.5分の1に縮尺して紹介していたが、この本では縮尺はページによってまちまちです。実物大のものも多いがそうでないものは子供を一緒に描くことで大きさが分かるようにしてある。
そのためか、本書には前二冊にはあった3ページ見開きはありませんでした。
紹介している生き物はこれまでと同様だが、本書ではより純粋に見た目の奇妙さや面白さを並べて見せることに特化している。
本書でも絶滅した動物も現在みられる動物たちと分け隔てなく掲載されている。
縮尺の制限が無くなった分小さな生き物たちもこのように面白く見せることができるようになった。
他の二冊に比べるとよりマニア向けではあるが生き物の多様性や、なにより「造形の面白さ・自由さ」がダイレクトに伝わってくるのが楽しい。
ところで動物たちの多様さだけでなく動物たちとともに描かれている身長150cmの人間たちの多様さにも注意が払われているように見えるなど子供向けの図鑑としてもきちんとしています。
個人的にはこのカリコテリウムの愛らしさはポイント高いです。
本シリーズの良さはなんといってもこの最小限のさりげない仕草で最大限動物たちの魅力を引き出しているところではないでしょうか。
造形をじっくり楽しむもよし、いろいろな生き物の姿を比較してその意味を考えるもよし、説明を読んで珍しい生き物に詳しくなるも良し。
「巨大生物図鑑」「恐竜科学図鑑」に比べると人気が劣るようですが純粋に眺めていても楽しく、その奇妙な造形のわけについての解説もしっかりなされている良い本です。